島根県の出雲・松江エリアで使われる島根方言を45語、あいうえお順で厳選。朝ドラ主人公のラフカディオ・ハーン(小泉八雲)の松江での暮らしも深掘りし、観光スポットと方言を結びつけて紹介します。旅行や文化理解に役立つ保存版ガイド。
島根県は、神話と歴史、そして独自の言葉文化が息づく地域です。出雲大社をはじめとする観光地に加え、地元の人が普段使う島根方言そのものが旅の魅力になっています。素朴で温かい響きをもつ島根弁は、旅人の耳に新鮮に響き、地元の人との距離をぐっと縮めてくれるでしょう😊。
さらに2025年には、NHKの次期朝ドラで文豪 ラフカディオ・ハーン(小泉八雲) が主人公として描かれる予定です。松江を舞台にした彼の暮らしや作品が全国に発信されることで、島根の文化や方言が再び脚光を浴びることは間違いありません✨。
本記事では、
- 📖 小泉八雲と島根の深い関わり
- 🗾 観光地で役立つ島根方言のフレーズ
- 😂 会話が盛り上がるユニークな弁
- 📚 保存版の 島根方言45選(あいうえお順)
- 🌍 島根弁と他県の方言の比較コラム
をたっぷり紹介します。旅行のお供に、また島根文化を知る読み物として、ぜひご活用ください。
💡 番外編:八雲の資料は島根だけじゃない!実は、富山大学に「ヘルン文庫」として小泉八雲の蔵書が所蔵されているんです。詳しくは 【富山に眠る小泉八雲】ヘルン文庫と馬場はるの物語|富山大学に残る文化遺産 をご覧ください。
📖 次期朝ドラ深掘り:ラフカディオ・ハーンと島根
🌍 異国から来た日本文化の語り部
ラフカディオ・ハーン(1850–1904)はギリシャに生まれ、世界各地を転々としたのち1890年に来日しました。松江中学校の英語教師として赴任したのが縁で、彼は島根の風土と人々に強く惹かれます。
やがて日本に帰化し、小泉八雲 として多くの随筆を残しました。彼の代表作『怪談』や『知られぬ日本の面影』は、当時の日本人が忘れかけていた精神性や民話の美しさを海外に紹介する重要な役割を果たしました。
🏯 松江での暮らしと方言
松江での1年余りの生活の中で、八雲は地元の人々と交流し、方言や風習に触れています。妻セツとの出会いもここであり、家庭を通して日本の「家族観」「信仰」「日常のことば」に親しみました。
彼が耳にした島根弁は、単なる言葉ではなく「土地の魂」として作品の背景に息づいています。今回の朝ドラをきっかけに、八雲が見た島根の言葉や風景が、改めて全国に伝わるでしょう。
🗾 島根観光と方言の楽しみ方
⛩️ 出雲大社と「だんだん」
出雲大社は縁結びの聖地として知られます。参拝のあと、地元のお土産屋さんや飲食店で「だんだん(ありがとう)」と一言添えれば、会話もぐっと温かくなります。
🏯 松江城と「おんぼらと」
松江城は国宝で、城下町の風情が色濃く残る観光地。散策のときは「おんぼらと(ゆっくり)」歩けば、まるで江戸時代にタイムスリップした気分に。
🌅 宍道湖と「えすい」
宍道湖の夕日は日本百景に選ばれる絶景ですが、夜の湖畔は少し「えすい(怖い)」と感じるかもしれません。地元の人もよく使う言葉です。
📖 小泉八雲記念館と「しんさい」
小泉八雲記念館は松江市の中心部にあります。展示を見るとき「説明してしんさい(してください)」とスタッフに声をかければ、方言を交えた交流が楽しめます。
🗣️ 島根旅行でよく使う方言フレーズ
- 🙏 「だんだん」=ありがとう
- 🙅 「おえん」=できない
- 👉 「しんさい」=してください
😂 観光ネタになる!面白い島根弁
- 🎉 「わや」=めちゃくちゃ、すごい
- 😅 「だらず」=おろか者
- 👻 「えすい」=怖い
📚 島根方言45選(あいうえお順・折りたたみ)
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※ニュアンス重視。地域や世代で表現差があります。
📗 ア行(9語)
- あだーん — 感嘆の言葉(あらまあ)
例: あだーん、今日は寒いがぁ。 - あいまち — 大きなけが・事故
例: なしてあいまちしたかね。 - あおんだま — あおむけ
例: 子どもがあおんだまで寝ちょー。 - あやくちゃ — めちゃくちゃ
例: 部屋があやくちゃになっとる。 - あんきな — 安心な・気楽な
例: ここはあんきな場所だわ。 - あばかん — あり余る/手に負えない
例: 人があばかんほど来たわ。 - あせだれこだれ — 大汗をかいて
例: あせだれこだれ仕事したわ。 - いけん — だめだ
例: そんな無理したらいけんで。 - おちらと — ゆっくり・のんびり
例: おちらと行きんさい。
📘 カ行(8語)
- かあ — 思わず・つい
例: かあ逃げてしもうたが。 - かいしき — 全然・まったく
例: 今日はかいしき進まん。 - かけやこ — 走りっこ
例: 駅までかけやこしよか。 - かがなる — かがむ・腰を曲げる
例: 畑でかがなって草取った。 - きばる — 頑張る
例: テスト、きばって勉強しなさい。 - きんにょ — 昨日
例: きんにょ、松江行ってきた。 - こげ(な) — こう・こんな
例: こげな天気は珍しいがね。 - ござっしゃい — いらっしゃい
例: ようござっしゃい。
📙 サ行(6語)
- せぎわい — 時間がない
例: 今日はせぎわいけん手短に。 - ししし — 藁を筒状に編んだもの
例: 納屋にしししがあるけん持ってきて。 - じじらに — 絶え間なく
例: じじらに雨が降るがね。 - しちょー(る) — 〜している(進行)
例: 今、宿題しちょーけん待って。 - そげ(な)/そげに — そんな・そんなに
例: そげに急がんでもええわ。 - そがぁな — そんな(石見側)
例: そがぁなこと言わんでもええ。
📗 タ行(6語)
- ただくち — (食事以外で)つまみ食い
例: ただくちばっかししんさんな。 - つけごめ — すぐ渡すお返し
例: 桃もろーたけん、つけごめ持って行こ。 - つぐなる — うずくまる
例: 腰が痛うて、つぐなってしもうた。 - たいそう — とても・たいへん
例: たいそう賑やかだわね。 - ちょっこし — 少し・ちょっと
例: ちょっこし待ってごしない。 - ちょんぼし — 少し(少量)
例: 塩はちょんぼしでええよ。
📘 ナ行(5語)
- なして — どうして
例: なしてそんなこと言うだか。 - なやみする — 家を造作する
例: 今年は納屋をなやみするだわ。 - なんぼっかしー — ほとんど・だいたい
例: なんぼっかしー食っとらんが。 - のーて — 日陰
例: 暑いけん、のーてで休も。 - にーな — 新しい
例: この靴、にーなだがね。
📙 ハ行(6語)
- はばし(がない) — 激しさ(がない)=おだやか
例: 出雲のことばははばしがないね。 - ばんじまして — こんばんは
例: ばんじまして、よう来てごしない。 - ひまぐらし — まぶしい
例: 外はひまぐらしけん帽子かぶりんさい。 - へたくなる — べったり座り込む
例: 疲れてへたくなってしもうた。 - ほねがかいい — 仕事がなかなか進まない
例: 今日はほねがかいいが。 - ぼやける — 蒸し暑くなる
例: 夕方はぼやけてたまらん。
📗 マ行(3語)
- めげる/みげる — 壊れる
例: テレビがめげて映らん。 - まめ — 元気・達者
例: おばあさんはまめだかね。 - むぐ — (皮などを)はぐ・剝がす
例: 柿の皮をむいで食べんさい。
📘 ヤ行・ラ行(2語)
- やんさい — 〜してください
例: こっちに来てやんさい。 - りごわ — 理屈っぽい・強情
例: あの人はちぃとりごわだが。
🌍 島根弁と他県方言のつながり
島根弁は中国地方を中心に、広島弁や鳥取弁、岡山弁と共通点が多くあります。
- 👉 「だんだん(ありがとう)」は島根独特ですが、似た感謝表現は他県にも存在。
- 👉 「おえん(できない)」は広島弁・岡山弁でも共通。
- 👉 「ぶち(とても)」は広島弁でも頻出。
さらに興味深いのは、距離の離れた沖縄方言にも似た響きがあることです。「あきさみよー」など感嘆を表す言葉は、「あがー(痛い)」の語感とどこか共鳴します😲。方言を比較すると、日本の文化がいかに多層的でつながっているかが見えてきます。
まとめ
島根方言は、単なる会話の道具ではなく「土地の魂」を映す文化そのものです。小泉八雲が愛した松江の暮らしや、人々の温かいやり取りの背景には、方言の響きがありました。
次期朝ドラで再び脚光を浴びる島根。観光で訪れるときは、ぜひ方言を交えて地元の人と話してみてください。きっと旅の思い出が「わや面白い」ものになるはずです😊。