突然ですが、この3つの言葉はどこ県の方言か分かりますか?
①あってこともねー
②じなる
③とろっぴ
実は全て栃木県の方言なんです。
ちなみにそれぞれの意味はこちら。
①あってこともねー
意味:とんでもない。
②じなる
意味:怒鳴る。
③とろっぴ
意味:いつも。
こんな意味があるんだとびっくりしてしまうような、聞いたことのない方言ですよね。
実は栃木県には、ほとんどの人が知らない魅力的な方言がたくさんあるんです。
そこで今回は
・栃木県の面白い方言3選と使い方
・栃木県の全方言一覧表(アイウエオ順)
を一挙にご紹介していきます!
地元の人しかしらない方言も書いてあるので、方言マスターを目指して是非最後まで読んでいってください!
是非使って欲しい栃木県の面白い方言3選
それでは、冒頭でご紹介した3つの方言の意味や使い方をご紹介していきます!
①あってこともねー
意味:とんでもない。
例文:車がぼっこれて行げなくなっちゃって、あったこどもねーこどんなっちゃってさ(車が故障してしまい、予定通りに行くことができず、深刻な事態に陥った。)
②じなる
意味:怒鳴る。
例文:水わすらをしていると、きもんがくさるといって、とーちゃんがじなった(「水をいたずらするな」とお父さんが怒鳴った。)
③とろっぴ
意味:いつも。
例文:隣のばーさんはとろっぴあすびにくる(隣のおばあさんは常に訪ねてくる。)
どの方言も個性的で面白いですよね!
是非一度栃木県の人にあったら、3つのうちどれか1つを会話の中で使ってみてください!
もしかするとぐっと距離が縮まるかもしれません♪
栃木弁方言一覧表(ア行)
ア行の栃木県方言一覧表はこちらです!
方言 | 意味 | 例文 | 例文意味 |
あっかあっか | 冷や冷やする。 | 何をいー出すかわがんねーと思って、あっかあっかしてたよ | 何を話し始めるか予想できず、不安になっていた。 |
あったらもん | 惜しむべき物。大切な物。 | この古い帯は、あったらもんだがらすてんなよ | この古い帯は大切なものなので、捨てないでください。 |
あってこともねー | とんでもない。 | 車がぼっこれて行げなくなっちゃって、あったこどもねーこどんなっちゃってさ | 車が故障してしまい、予定通りに行くことができず、深刻な事態に陥った。 |
あらいまて | 食器洗い。 | 今日はおっかーがいねから、あらいまででもやっかー | 女房が不在のため、食器洗いをすることにしよう。 |
うっつぁしー | うるさい。やかましい。 | しつっけーへーがいて、うっつぁしくってしゃーね | うるさい蠅がいて、しつこくてたまらない。 |
えっちかる | 座る。腰を下ろす。 | 石の上にえっちかって、ひと休みすんべー | 石の上に座って、少し休憩しましょう。 |
おっける | 倒れる。転ぶ。 | 台風で物置小屋がふっとんじゃーし、おっきな木もおっけされ、てーへんなこどんなっちゃった | 台風の影響で、物置小屋が飛ばされ、大きな木が倒れ、深刻な被害が出ました。 |
おっぺしょる | 折る。曲げる。 | 花がきれーだがらって枝おっぺしょるなよ | 花を楽しむためには、枝を傷つけたり折ったりしないようにしましょう。 |
栃木弁方言一覧表(カ行)
カ行の栃木県方言一覧表はこちらです!
方言 | 意味 | 例文 | 例文意味 |
かっぽろぐ | 揺り動かす。ゆする。 | 栗の木をかっぽろぐのはえーけど、頭にえががおっこってくっからきーつけろ | 栗の木を揺らすのは良いけれど、頭上から落ちてくる実には注意が必要です。 |
かんぞ | かわいがること。大事にすること。 | かんぞかんぞしてやっから、泣ぐんじゃねーよ | 可愛がってあげるから、泣かないでね。 |
がしょーき | がむしゃら。無鉄砲。向こう見ず。 | あの男はがしょーきだがら、やることなすこと何でも荒っぽくってね | その男は無謀なので、どんなことでも乱暴にやる傾向がある。 |
きどころね | 仮寝。うたたね。 | 夏は日がなげーがら、きどごろねすっとからだにえーよ | 日が長い夏は、仮眠をとることが健康に良いとされています。 |
ぎゃーに | あまり。 | ふぬけだからといって、ぎゃーに馬鹿にすんな | 人が努力しないからといって、軽蔑することはできません。 |
くさる | 濡れる。 | 雨に降られてきもんがくさっちゃった | 着物が雨に濡れてしまった。 |
くちゃぐる | 目を閉じる。目をつぶる。 | そーだにめーくちゃぐっちゃー、目薬はへーんめー | 目を開けていないと、目薬を点眼できませんよ。 |
くものえず | 蜘蛛(くも)の巣。 | どんぶがくものえずにひっかかって、ばたばたもがいてんだんべー | とんぼが蜘蛛の巣にかかって、必死に羽ばたいている様子が見られる。 |
こっぺくせー | ませている。おとなじみている。 | この女の子は、おしれなんかつけて、なんぼこっぺくせーんだが | この女の子は、化粧品を使って顔を装飾している。 |
ごじゃっぺ | うそ。 | そんなごじゃっぺだれが本気にすっか | 誰がそんなうそを信じるだろうか。 |
ごせーやける | 腹が立つ。怒る。 | 人のざんぞーしかいえねーやつにはごせーやけてしゃーね | 悪口ばかり言う人には本当に腹が立ちます。 |
栃木弁方言一覧表(サ行)
サ行の栃木県方言一覧表はこちらです!
方言 | 意味 | 例文 | 例文意味 |
ざっぽい | 露っぽい。 | あさっぱら、田んぼのあぜ道がざっぽかったもんだがら、膝っかぶから下がびっちょりになっちゃった | 田のあぜ道の草が露っぽく、膝下が濡れた。 |
じかきむし | みずすまし。 | 田んぼん中でじかぎむしが、いせーよくぐるぐるまーってらー | 田んぼの中で、勢いよく回転する水車が見られます。 |
じごくのかぎっつるし | 杉菜。 | じごくのかぎっつるしの根っこは、深くて多くて取り尽くせるもんじゃーねーよ | 杉菜の根は、広がり深く、完全に掘り尽くすことはできない。 |
じなる | 怒鳴る。 | 水わすらをしていると、きもんがくさるといって、とーちゃんがじなった | 「水をいたずらするな」とお父さんが怒鳴った。 |
じゃんぼん | 葬式。 | じゃんぼんには、引き出物にでっけーじゃんぼん饅頭がでたったねー | お葬式の引き出物に大きなおまんじゅがでたね |
ずずねー | ぞくぞくする。 | 葉っぱのうらにずずねーほど毛虫がいたったね | 葉っぱの裏側には、たくさんの毛虫がいて、それがぞくぞくと動いている様子が見られました。 |
せっちょ | 世話をやき過ぎること。おせっかい。 | 赤ちゃんをせっちょし過ぎたもんだがら、とーとー泣ぎそっぺになった | 赤ちゃんに過剰な干渉をしてしまい、ついに泣きそうな表情を浮かべた。 |
せーふろ | 風呂。 | せーふろふったけといたから、すぐにひゃれるぞ | 火をつけた風呂がすぐに利用できるようになっています。 |
ぜんて | すっかり。まるで。まったく。 | ズボンがしっつぁばけて、ぜんて使いもんになんねぐなっちゃった | ズボンが破れて、役に立たなくなってしまった。 |
そばえる | 甘える。甘ったれる。 | 何がやんなんだが子どもは、母親の膝っかぶんとごでそばえてぐじっていた | 子どもは、母親のそばで甘えて不機嫌そうにしていた。 |
栃木弁方言一覧表(タ行)
タ行の栃木県方言一覧表はこちらです!
方言 | 意味 | 例文 | 例文意味 |
たっぺ | 霜柱。 | 今朝はさみーともったら、たっぺがはりやんしたねー | 今朝は寒いと感じたら、地面には霜柱ができていた。 |
たなぎねこ | 人に懐かない猫。人見知りする猫。 | 薄暗い所で生まれた猫じゃー、たなぎねごになるんだんべー | 暗い場所で生まれた猫は、人になつかない傾向がある。 |
だいじ | 大丈夫。心配がない。 | 今日はあんべがわりーとゆえば、行がなくったってだいじだ | 今日は体調が優れないので、出かけなくても問題ありません。 |
ちくらっぽ | 噓。でたらめ。 | ちくらっぽゆーと、えんまさまにべろ抜かれるど | 嘘をつくと、閻魔様に舌を抜かれるという厳しい結果が待ち受けています。 |
ちっぽけっぽ | 蟻地獄。 | ありんどんが、ちっぽけっぽの穴ん中におっこったのを見たよ | 蟻が、蟻地獄の穴に落ちたのを目撃した。 |
ちゃーる | 捨てる。 | ちんこくてめんごい猫なのに、だれがちゃーったんだんべ | 猫が小さくてかわいいのに、どうして誰かに捨てられたのか不思議だ。 |
つっかけまんご | なすり合い。 | としょりの面倒をだれがみるかで、つっかけまんごがはじまった | 年配者の世話を誰が引き受けるかについて、互いに責任を押し付け合う状況が生じた。 |
つっぺる | 踏み入る。入る。 | ぼやっと歩いてたら、みずったまりにつっぺっちゃった | 歩いているうちに、気が散っていたら、足元の水たまりに踏み込んでしまった。 |
てんずだんず | 不揃い。 | 髪の長さがてんずだんずじゃみだぐりがわり | 髪の長さがバラバラだと、外見が乱れて見えます。 |
でっかす | 出会う。遭遇する。 | 山ん中で鹿にひょこっとでっかしたので、おったまげた | 山の中で突然鹿に遭遇して、驚いた。 |
とこげる | 腐る。 | ここんとご畳干しをしなかったもんだから、畳がぜんてとこげちゃった | 畳を干さなかったため、完全に腐ってしまいました。 |
ととろずく | あわてる。 | ひょっこら来たんでととろずいたよ | 急に現れたので、驚いてしまいました。 |
とろっぴ | いつも。 | 隣のばーさんはとろっぴあすびにくる | 隣のおばあさんは常に訪ねてくる。 |
栃木弁方言一覧表(ナ行)
ナ行の栃木県方言一覧表はこちらです!
方言 | 意味 | 例文 | 例文意味 |
ぬすっくらい | 盗み食い。 | 戸棚にとっといた饅頭を、ぬすっくらいしたやつは誰だ | 饅頭を隠していた戸棚から、誰かが勝手に食べた。 |
ねごんぼ | 朝寝坊。目覚めの悪い人。 | あしたなさねごんぼすっと、学校さ遅刻すっかんな | 明日の朝、起き遅れると学校に遅刻することになるから。 |
ねんじこんじ | もじもじしているさま。 | ねんじこんじしてっから、しょんべんでもしてんだんべ | 彼は不安そうに動揺しているので、お手洗いに行きたいのかもしれません。 |
のざえる | 〈のどに物が〉つかえる。ふさがる。 | 魚の骨がのどにのざえて、ちくちくしてしゃーね | のどに魚の骨が刺さって、イライラが収まらない。 |
栃木弁方言一覧表(ハ行)
ハ行の栃木県方言一覧表はこちらです!
方言 | 意味 | 例文 | 例文意味 |
はだつ | 完成した状態になる。実る。 | 小豆ができはだっても、忙しくって取りにも行げねー | 小豆ができても、手が離せないので取りに行くことができない。 |
はなぐら | いびき。 | 酒飲むとはなぐらかぐんでねむれねー | 酒を飲むと、いびきが出て眠れなくなる。 |
はんかきらす | いたずらする。 | この壁に、はんかきらしたのはだれだ | だれがこの壁にいたずらをしたか、わかりますか? |
ひして | 終日。一日中。朝から晩まで。 | 隣りのおばーさんは、ひしておぎにあすびにやってくる | 隣のおばあさんは、二日おきに訪ねてくる。 |
ひっちょる | 背負う。負う。 | 赤っこをひっちょくって野良仕事に出てった | 赤ちゃんを抱いて、野良仕事に出かけた。 |
ひとかたげ | 一回分の食。 | 米五合あったら、ひとかたげたくさんだんべー | 五合の米があれば、一食分に十分な量がある。 |
へんげる | 心変わりする。心が一転する。 | 昨日まで賛成していた人が、今日何でへんげっちゃったのかわがんねー | 賛成していた人が、なぜ心変わりしたのか理解できない。 |
ほきる | 〈草木が〉伸びる。生い茂る。成長する。 | しばらく草刈りしなかったら、せったけぐれーほきちゃった | 草刈りを怠った結果、草が背丈ほど伸びてしまった。 |
ぼしょぐされる | びしょ濡れになる。全身が濡れる。 | 傘を持って行がなかったもんだから、ぼしょぐされになっちゃった | 傘を持っていかなかったため、ずぶ濡れになった。 |
ぼっとすると | ひょっとすると。もしかすると。 | きなっくせーがらぼっとすると、はー、食べらんねーかもしんね | 焦げ臭い匂いがするので、もしかしたらもう食べられないかもしれません。 |
栃木弁方言一覧表(マ行)
マ行の栃木県方言一覧表はこちらです!
方言 | 意味 | 例文 | 例文意味 |
まねる | 告げ口する。言いつける。 | 火わすらすっと、父ちゃんにまねてやっかんね | 父親に報告するから、火遊びはやめておいた方がいいよ。 |
みそっつぐ | みそさざい。 | 堀っこん中でみそっつぐが、チチッ、チチッと鳴ぎながら飛びまーってた | 堀の中で、みそさざいが鳴きながら飛び回っていた。 |
むせー | 長持ちする。容易に減らない。 | この飴はむせーがらなめでがある | このキャンディーはなかなか減らないので、舐めることが必要です。 |
めめくる | 芽差す。芽ぐむ。 | 春んなってめめくるのがはえー草は、もじぐさだんべー | 早春に芽を出す草の代表的なものといえば、蓬(よもぎ)である。 |
もやいに | 一緒に。共に。 | みんなでこの道具をもやいに使うべと思って持ってきたんだよ | みんなで協力してこの道具を使おうと考えて集まってきました。 |
栃木弁方言一覧表(ヤ行・ラ行・ワ行)
ヤ行・ラ行・ワ行の栃木県方言一覧表はこちらです!
方言 | 意味 | 例文 | 例文意味 |
ゆっつける | 結わえつける。縛る。 | ゆっつけた稲束を、はでんぼーにかげな | 稲束を稲掛け棒に掛けてください。 |
ゆわがんけ | 岩場。 | この辺はゆわがんけだがら、おんのめって怪我しねよーにきーつけろ | 岩場であるため、滑ってけがをしないように注意してください。 |
よろばる | よろめく。 | よっぱらって、よろばりながらあるぐ | 泥酔して、揺れながら歩く。 |